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トーチソング

方向音痴 車に轢かれ

12月30日(木) この一年を振り返る①

 年末だし、過去のブログ記事を引っ張りながら振り返ります。

 まず1月。ブログを始めたのは6月なので、まだまだ先ですね。
 年始はあまりいい気分ではありませんでした。なぜか。話は昨年の大晦日に戻ります。コミックマーケットで会誌の売り子をし、疲労困憊でモノレールを待っていた午後6時。僕のLINEに一通の連絡が来ました。小学校時代の同級生Uからでした。帰省しているなら、せっかくだから会わないか、という誘いでした。小学校時代のUは、足が速くて、要領のいい少年でした。あと、人にあだ名をつけるのが得意だった記憶があります。早い話がジョックです。
後輩ちゃんに聞いてみよう 第31話|月刊COMICリュウ←いい漫画。
 彼とは幼稚園が同じで、家が近いことから、よく遊んでいました。半分ほど親分子分のような関係の友達付き合いをしていました。教師に反目する早口オタクの僕がクラスで孤立しなかったのは、ひょっとしたら彼のおかげだったかもしれません。とはいえ、当然、苦手意識もありました。
 さて、そんな彼からの誘いですが、会うのも久々だから悪くないと思ったからか、やっとの思いで大学に合格したせいで、少し気が大きくなっていたからかは知りませんが、僕は乗っかってしまったのです。いいじゃないか、会ってやろうと。そうして自宅近所のファミレスで会う約束を取り付けました。そのときUは、小学校時代の共通の友人であるTも連れてくると言っていました。僕は少し嫌な予感を覚えました。これ、2対1でマウント取られるんじゃないかなって。
 予感は見事的中。彼ら二人だけで会話のキャッチボールを楽しんでいると思ったら、不意打ちのように僕に話を振る。僕がそれに戸惑い焦ると、その反応を二人で笑う。地獄です。焦熱にのたうち回りながら、感覚を少しだけ取り戻します。あー、確かにこんなんだった。こんなんだったわ、小学校時代。中学、高校、大学と、ぬるま湯のようなホモソーシャルに浸かっていた自分には些か熱すぎます。タフだったなぁ、昔の僕。そんな僕を弄ぶように、彼らは無邪気に最悪な話題を出しました。
「○○(同窓の女子)っていたじゃん。俺、アイツとヤッたよ」

知らねー!知りたくもねー!
 それを僕に話して何になるんだ。ただただ気まずくなるだけだ。反応に窮し、真顔で「へ~」っと頷く僕。すると今度は、その○○を呼ぼうか提案してきました。何を考えているのか、まるで分からない。何をするんだ。僕の前でセックスの実演でもするのか。童貞のためのセックス指南講座、始まるよ~。僕の反応に好感触を得たのか分かりませんが、話題は同窓の女子に移りました。卒業後、あの子は何処へ行った、アイツは今どうしている、などと色々教えてくれましたが、もともと同窓生の多くはネットストーキングで特定しているので、それほど目新しい話はありませんでした。だけど、小学校時代はそれこそ無限に広がっていた同窓生らの現在が、一人の人間へと収束しているのを実感して、なんだか切なくなりました。そしてやっぱり、極めつけがコレ。

「お前が小学校時代に好きだった子って誰?」

 9年も経ったことだし、もう茶化されないだろうと思って、正直に言いました。茶化されました。ファック。こいつら成長してないのか。ここから消えてしまいたい。そう念じる僕を追撃するように、Tが「でも、あの子ってUのことが好きだったよな」とか言い出しました。悪魔か。当然、Uも乗っかります。「アイツ、卒業後もやたら俺にメール送ってきたなー。マジうざかったわー」虚無。あらゆる思考が麻痺しました。疲れた。もういい、もうやめよう。空虚になった僕の内部で、声にならない叫びが反響します。もういい、やめてくれ。僕が何をしたって言うんだ。体感時間は限りなく引き延ばされ、薄れゆく意識の中に永遠を見ました。無間地獄は今世にあった。
 以前にブログで書いた通り、小学校時代に好きだった女の子については、ネットストーキングで得られる限りの情報を収集しました。バイト先だって特定しています。勿論、軽薄なまんこに成り下がったことも知っています。でも、だからって、だからって…… インターネットで十を知ったつもりでいた僕を、生の情報が蹂躙します。うううう。気が狂いそうだ。自己憐憫に浸るために修正を重ねて作り上げた自分の歴史が、圧倒的な現実によって踏み潰される。最悪の年末でした。
 ところが連中、あろうことか僕の新年まで殺しに来ました。一緒に初詣に行かないかと提案してきたのです。勘弁してくれ。今年はこれだけで最悪なんだ。せめて新年ぐらいは気持ちよく迎えさせてくれ。真っ向から断るのは怖いし面倒なので、適当に約束をして、嘘ついて破りました。その後、LINEで詰られたので、1400字に亘る長文を送り付けました。以来、彼らから連絡は来ていません。めでたしめでたし。
 せっかくなので、その文章貼っときます。名前とかは隠しときますね。

あけましておめでとう。
初詣をすっぽかして申し訳なかった。
それについて、色々思うところを書くから、読んでみてほしい。
長ったらしかったり、怒らせてしまうところもあるかもしれないけど、最後まで付き合ってくれ。
LINEの「既読」というのがどうも苦手だから、一息に書こうと思う。

さて、先ずは謝りたいことがある。
初詣をすっぽかしたことも勿論だが、その言い方が随分と他人行儀だったことだ。
これについての後ろめたさが、この文を書く主な動機だ。
正直に言ってしまうと、中高の集まりなんてものはなかった。
だけど、そんな嘘をついてでも、行きたくなかったんだ。

先に言っておくと、君たちのことが嫌いだとかではないんだ。
ただ、何年かぶりに話して、僕はひどく精神を消耗してしまった。
誰とセックスしたとか、今まで無縁な話に目眩がしたし、話し方を捕まえて笑ったり、人の反応を茶化すような「会話」の仕方に、気持ちがひどく滅入ってしまった。
今思えば、小学校の時はそういう「会話」も多々あったかもしれないが、それを「懐かしいなぁ」と余裕をもって対処できないほどに気が擦り減ってしまった。
中学、高校、そして大学。長い時間と、環境の隔たりで、僕たちの間には、お互いへの無理解が深い溝のように横たわっているように思えた。

もしかしたら、幼稚園や小学校の頃から、ズレみたいなものはあったかもしれない。
「いじる-いじられる」の関係がずっと続いていて、それが特別嫌という訳でもなかったし、小気味良い時もあったけど、悔しい時もあった。
足が速く、処世に長けていた器用な君に対して、喧嘩も弱くて不器用な僕が引け目を
感じていたのは想像に難くないだろう。
そういったズレがそのまま放置され、お互いの成長につれ、深くなったような気がするのは僕だけだろうか。

君とTと話していて、僕はどうしても二対一というか、多勢に無勢のような感覚があった。
別に戦っているわけでもないが、僕はどうも打ちのめされたような敗北感があったし、なんだか自分が「消費」されたような気分に陥った。
君も思い当たるところがあるんじゃないだろうか。
たった二人、しかも小学校で仲が良かった奴ら相手にそんな気分になってしまったんだ。ほかの同窓生が来たら大変だ。きっと擦り切れてしまう。
そんな訳で、とてもじゃないが一緒に初詣に行く気なんて起きなかった。
不器用な僕はどう断ればいいのか分からず、他人行儀な言い方をしてしまった。
「やっぱり行きたくないや。ごめん」ぐらいの言い方でも、もしかしたら受け入れてくれたかもしれない。
自分の不実が後ろめたくて、こうして長々と文を書いているんだから、やはり僕は不器用なんだな。
他人行儀な言い方で、それも嘘をついて予定をすっぽかしたて御免なさい。
改めて謝ります。

数少ない幼稚園からの友人だから、僕が言うのもおかしいが、こんな形で縁遠くなってしまうのも勿体ない気がするので、これからも仲良くしてほしい。
ただ、如何せん「苦手意識」があるのも確かだから、今度は一対一でゆっくり話したいな。我が儘な話だけど、これは結構切実なお願いだ。

長文乱文諸々失礼。Tとかには、この文章を適当に噛み砕いて伝えておいてくれたら嬉しい。随分な甘えかもしれないが許しておくれ。
また、本人同士だと案外分からないところもあるかもしれない。そういうところがあったら、ぜひ他の人にこの文を見せてくれ。君の父や姉あたりがちょうどいいだろう。

そんな訳で、それなりの好意と、それなりの苦手意識を綯い交ぜにした本文をもって、新年の挨拶に代えさせていただきます。
今年もよろしく。

 キモいね。
 長いので、一旦おわり。