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トーチソング

方向音痴 車に轢かれ

8月15日(月) ミンミン

 夏休みなので、生活リズムが滅茶苦茶に崩れている。朝日を見ては眠り、午後になって起きるという一日を繰り返している。
 今日の未明は、『甘々と稲妻』の生放送タイムシフトを見ながら、カップ焼きそばを食べていた。
 
 「んまーい! おとさん! たべるところみてて!」
 
 ふざけて言ってみた。空しくなった。
 『甘々と稲妻』は、妻を亡くした高校教師・犬塚公平とその娘・つむぎが、公平の教え子・飯田小鳥とともに、料理と食事を通して団欒するという、日常系漫画だ。あずまきよひこよつばと!』に始まる父娘漫画の系譜の上にあり、『よつばと!』同様、女子高生が女房役として登場するので安定感はピカイチだ(こういうキャラクターがいないと、父娘が結婚しかねない)。
 『よつばと!』の4年ぶりの新刊発売、『甘々と稲妻』アニメ化、『マドンナはガラスケースの中』連載終了など、ここ1年は父娘漫画が色々と動きを見せたので、何かレビューを書きたいな、と思う。
 
 さて、夜が明けると例のように眠気に襲われ、眼を醒ますと16時だった。
 このまま部屋に籠って時間が溶けていくのが耐えられないので、下鴨納涼古本まつりに行ってきた。

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 今更恥ずかしがっても仕方ないので、こんな画像も貼っちゃう。

 森見登美彦の作品で何度か出てきたあの古本市だ。高校1年のときに『四畳半神話大系』を見て以来、森見の呪縛から逃れられない。ホモソーシャルというか男子校的な空間で馬鹿やってたら、それを認めながらビシビシ指摘してくれる素敵な女性と会えました、とかいう森見作品。本当にふざけた情けない話だが、中高6年男子校で純粋培養された童貞マインドにはビシビシ刺さる。当たり前じゃないか。外部からするりと美少女がやってきて、しかも母親みたいな役割をしてくれる。女を知らない馬鹿は当然嵌る。
 僕はひねくれているので、素直に森見を好きという気にはとてもなれず、むしろ憎む対象だと公言している。だけど、気の迷いで、今日はついつい下鴨神社に行ってきてしまった。夏は過ちを冒す季節とは言うけれど、こんな湿って閉じた過ちなのは、なんだか空しい。もっと晴れ晴れと間違えたかった。
 アパートのある北白川から自転車で今出川通りを下り、橋を渡って鴨川デルタへ。そこから北上すると、住宅街の中に赤い鳥居が現れる。鳥居をくぐって少し進めば、糺の森が見えてくる。近くに自転車を停め、いざ古本市へ。
 糺の森に入ってすぐ左の、河合神社へ続く橋を渡ると、かき氷や飲み物を売る臨時の休憩所があった。そこから北へまっすぐ伸びた道の両側に、二十か三十かの古本屋が店を出している。木陰が多く、少し前まで夕立が降ったこともあって意外と涼しい。「納涼」というのは嘘でもないみたいだ。雨上がりの下鴨神社には、水を捌けきれていない砂利が一面に広がっていて、サンダルとの相性は頗る悪い。ぐじょぐじょと音を鳴らせ、ときどき足裏とサンダルの間に小石を飲みこみながら、店を一つずつ物色する。うーん、わからん。あまり本を読まない上、中途半端に潔癖なので、大した感動はない。せっかくだから色々と手に取って見てみるが、買うに値するのか見当がつかない。店に寄り、古書を手に取り、首を傾ぐ。それを十数回繰り返すと、道の北端まで来てしまった。同じ動作を繰り返して、南端の休憩所近くまで戻る。さて、どうしたものか。何も買わないまま帰るのも勿体ない気もするが、必要のない物を中古で買うのも阿呆らしい。あれこれ考えた後、せっかく来たのだからと岩波文庫を買った。3冊セットで500円。本は特別好きではないが、消費は嫌いじゃないので、少しだけ金を遣った、というのが正直なところだ。買った本の題名は、なんだか恥ずかしいので伏せておく。
 古本市を後にしてからは、『甘々と稲妻』の餃子を思い出したので、三条の珉珉に行って餃子と炒飯を食べた。それなりに美味しかったが、感動はなかった。やっぱり一人で食べる場合、よほどのことでは心は揺さぶられない。『孤独のグルメ』みたいに、「うんうん。これこれ」みたいな独り言でだいたい終わる。それも好きなんだけど、今回ばかりはその落差にすこししょんぼりした。
 さて、今日は色々動いて疲れたし、さっさと寝て生活リズムを直そうと思う。買った古本はまだ読んでいないけど、おやすみなさい。ずっと読まないかもしれないけど。
 ちなみに、下鴨納涼古本まつりは明日16日まで。最終日なので16時で閉場とのこと。