トーチソング

方向音痴 車に轢かれ

7月14日(金) 仮定問答集

ネトスト先(過去記事参照)と話せたなら、という気持ち悪い仮定をしたうえでの問答です。暖かい目で見守ってください。通報しないでください。


宿なし(僕。以下、宿):ツイッターのフォロー申請、通してくれませんでしたね
ネトスト先(以下、ネ):得体がしれないもの。当たり前です
宿:4月くらいに申請した時は通してくれたじゃないですか
ネ:アレはほら、社会人になったばかりだったし、ひょっとして職場の方なのかなって思ったから
宿:なるほど。じゃあまた来春に申請しますね
ネ:もう通しません。だいたい、なんで一度フォローを外して、改めてフォロー申請したんですか。うっかり外しちゃったとか?
宿:いえ、わざとです。なんかこう、存在を認知してほしくて
ネ:は?
宿:4月の時はお互いアカウントに鍵が掛かっていて、かつ僕が一方的にフォローしてた訳じゃないですか。だから、そっちはネトストが自分のアカウントを監視しているとは気づかなかったってことですよね。日ごろのツイートを覗き見できたのは、それはもう嬉しかったのですが、最近飽きてきてしまいまして。それで、こう、「ネトストしてる俺がいるぞ!」って改めて叫びたくって……
ネ:気持ち悪っ。厄介なアイドルオタクと同じじゃん。一般人相手にやってる分だけ更に悪質……
宿:自覚はしてます。でもね、しょうがないでしょ
ネ:好きだから?
宿:好き、ではないのかもしれない。小学校時代の初恋を引きずってるのは確かだけど、もっとこう、未練というというか、執着というか
ネ:よく分からないし、なおさら気持ち悪いんだけど
宿:ううう。とはいえ、すごく気になってるのは確かですよ。もう気になって気になって片っ端から個人情報を調べ上げたから、僕はあなたの学歴も、元カレの名前や顔も、昔のバイト先も知っている
ネ:気持ち悪っ…… そんなに色々知っているのに、なんでこういうのが迷惑だとは分からないの
宿:返す言葉もございません。でもね、そこまで邪険にしなくてもいいでしょ
ネ:いや、しますよ、邪険に
宿:いやいや待ってくださいよ。もしかしたら僕はなかなかの好人物なのかもしれませんよ
ネ:言うに事欠いて何を言い出すんですか
宿:例えばあなた、以前Copy_writingのツイートに「いいね」してたでしょ。Copy_writingをフォローしてること自体が既に少し軽蔑に値しますが、まあいったん脇に置いておきましょう。あなたが「いいね」したのは、以下のもの。太宰治のエッセイ『美男子と煙草』からの抜粋でした
ネ:「いいね」まで監視してたの。気持ち悪すぎるよ
宿:読んでみますね。「これからどんどん生長しても、 少年たちよ、容貌には必ず無関心に、 煙草を吸わず、お酒もおまつり以外には飲まず、 そうして、内気でちょっとおしゃれな娘さんに 気永に惚れなさい by 太宰治」 あなたは、この文章に「いいね」を押したのです
ネ:なんでこんな辱めを私が受けなきゃいけないの。これは何の因果なの
宿:あなたの親が越境させてまで、僕と同じ小学校に通わせてしまったからですよ。話を戻しましょう。『美男子と煙草』の抜粋ですけどね、これね、見事に僕そのものですよ
ネ:は?
宿:見ての通り僕は容貌に無関心ですし、煙草も吸いません。お酒も弱いので滅多に飲みませんし、小学校の初恋を引きずってるのも、好く言えば気永に惚れてるってことでしょ。あとは、あなたが「内気でちょっとおしゃれな娘さん」なら完璧ですよ。ね?
ネ:気持ち悪っ。そんなこと言ってよく平気でいられますね
宿:照れなくていいんですよ。ほら、僕のことをCopy_writingと同じように、「いいね」してくれていいんですよ
ネ:気持ち悪い気持ち悪い。だいたい、あんた、美男子じゃないじゃん
宿:それを言ったら元も子もないでしょう。ほらほら、僕に「いいね」してみなさい
ネ:やめて。本当に気持ち悪い
看守:面会時間、終了だ。ほら立て。行くぞ
宿:どうやら時間のようです。今日はわざわざ会ってくれてありがとうございました

宿なしはそう言い残し、看守とともに監獄の闇へと消えていった。